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悲惨な魂

2013.08.18(Sun)

『読んだ本』 Comment(2)Trackback(0)
“沖仲仕の哲学者”、エリック・ホッファーの『波止場日記』を読んだ。

波止場日記


 気になったのは1959年3月14日の記述。

 「フリースラント号にて四時間半。ここの仕事完了。久方ぶりに最高にきつい仕事が二日続いた。仕事帰りのバスの中で私は突然同情心にかられた――若者と老人、成功者と失敗者の区別なく、それなりの悲惨さを持たぬ魂など全世界に一つとして存在しないように思えたのだ。どういうわけでこの突然の同情心が湧いてきたのか、私には説明できない。」

 悲惨、或いは不幸というものは、途上国の貧民や戦争による難民、障害を持つ人、難病に冒された人、大震災に遭った人などだけの専売特許ではない。おそらく、人間たる者全てが多かれ少なかれ共通して持っているものである。私には先に挙げたような人々を、無視する意図はない。私はこのような人々の不幸を引き合いに出して、身近なところにある悲惨な、不幸な魂の存在を無視させようという人が気に食わないだけである。
 こういう説教をたれる人々は、まさしくホッファーのいう「知識人」である。すなわち、「自分は教育のある少数派の一員であり世の中のできごとに方向と形を与える神授の権利を持っていると思っている人たち」である。彼らは身近な悲惨な魂の存在を無視して「平和」や「絆」といった大言壮語を吐くが、そうした身近な存在を救うことすらできないのに、一体この世界に対して何ができるというのだろうか。

 「私は変わった人間ではない。ありふれた人間なのだ。そして、私はそのことを誇りに思っている。」
 こう言えるホッファーが力強く、輝いて見えた。

波止場日記―労働と思索
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コメント
お久しぶりです!

確かに 目立つ(特異的な)事例が情報としてあふれていると、そこからこじつけられて導出された目立つ教訓は一杯あると思います。僕がそれに妙な白々しさみたいなのを感じるのは そう(記事)いうことなのかな、と思いました。(・ω・)

論点がずれてたらすみません。笑
暑いですが、お互い健康に気をつけてすごしたいですね!( *`ω´)
TNB10 2013.08.18 09:59 編集
 TNB10さん、お久しぶりです。返信が遅れてしまいすいません。

 まさにTNB10さんのいう、「目立つ(特異的な)事例」だけに頼って自分勝手に物事をこじつける人がいますね。例えば「世界には生きるのでさえ困難な人たちもいるんだから文句を言うな」とか、「俺が20代の頃は休日出勤も当たり前だったんだから、もっと苦労しろ」だとか。
 でもそれって果たして相手の心に届く言葉なのか、疑問に思います。こうした「お説教」は僕は生理的に嫌いです。というのもこうした言葉は相手を思ってのものではなく、「お説教」ができる自分に酔いたいがためのものだからです。結局、そうした言葉では相手と対話することはできないのです。

 ホッファーのいう「知識人」というのも、こうした「お説教」をして自分はエラいんだと勘違いしている連中のことを言っているのだと思います。エラそうに「お説教」をしているヒマがあるなら身近な人たちの不幸を解決できるように行動しろ、そうホッファーは言っているようにも思えます。

 ところで、TNB10さんが先に挙げたような「こじつけ」に「妙な白々しさ」を感じるのは理系の勉強をされているからというのもあるのではないでしょうか(これもまた、僕の勝手な「こじつけ」かもしれません)。理系の学問ではある理論を証明するためには、実験を繰り返して同じ結果が出なければなりません。逆に何度も一定の条件で実験を繰り返した結果、共通する所があってそれが理論化されることもある。こうした手順を踏むことは文系の学問ではその研究対象などからいって難しいことであまり厳密には行われないのですが、理系の学問はこうした手順を厳密にこなすことがまず求められるかと思います。このような修練を積むうちに、TNB10さんはある命題を一つの恣意的な論拠に立って、普遍化することはおかしいと感じるようになったのではないでしょうか。ちなみにホッファーも社会科学だけでなく、数学や物理学をも独学しています。

 長くなりましたが、TNB10さんもお元気で。福島は夏の蒸し暑さがようやく収まり、秋の気配がしています。それでは。
マンボウ 2013.09.06 23:59 編集
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マンボウ

Author:マンボウ
25歳/男/大卒
民間で2年働いた後、1年半ほどバイトしながら勉強し公務員となる。
趣味は読書。

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